リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの出力制限

リチウムイオン電池

太陽光発電の蓄電先のバッテリーは、ディープサイクル鉛蓄電池を使用しています。

屋外から室内へケーブルを用いての配線は行わないことにしているので、使うたびにバッテリーを屋外から室内へ移動することにしていました。しかし、鉛蓄電池は重いので、持ち運びにはかなり不便でした。しかも、大きな電力を消費すると、記載の容量分使うことはできません。より大きなバッテリーが必要となってきましたので、リチウムイオン電池の購入を検討しました。

リチウムイオン電池のメリットは、

  • 鉛蓄電池よりもエネルギー密度が高い→鉛蓄電池と同じ容量で半分の重さに。
  • 大電流を流しても、電圧が低下しにくい→同じ容量で1.5倍の容量に。
  • 充放電サイクルが長い→3倍から5倍のサイクルが可能

デメリット

  • 非常に高価→鉛蓄電池と同じ容量で5~10倍
  • 鉛蓄電池と比較して、危険性が高い?
  • あまり大きな電流を出力できない?

といった事があるようです。

国内に流通しているリチウムイオン電池は、12V50AH程度で5万から10万ほどでした。

コストパフォーマンスは良いのですが、初期投資がとても高くつくので、購入に至りませんでした。

 

例えば、

一番安くてPSEマーク付の安心できそうなものは、Renogyのバッテリーで、

12V50AHが¥50,000 6.5kg

おなじ容量(12V 50AH)の鉛蓄電池は、Longのディープサイクル鉛蓄電池ですが、

これが¥12,300 14.24Kg

もっと安いディープサイクル鉛蓄電池は、ACDelco M31MF これは12V115Ahと数値上

2倍以上の容量を持ちますが¥13,323 しかしません。26.5 kgもありますが...

 調べたリチウムイオン電池は、大体が1C放電(バッテリー容量と同じ電流量まで放電できる)まで可能であるものが多く、容量=放電量量であり、大きなバッテリーが必要になっていました。

700W÷12V≒60A

60Aくらい出せるものが欲しかったので、10万ほどかかることが考えられ、購入には至りませんでした。

 

リチウムイオン電池の放電制限

なぜリチウムイオン電池は、放電に1Cという制限があるのか不明でした。

鉛蓄電池では、1C以上の放電は可能で、エンジン点火や溶接などの短期間大電流を流す事も可能です。

ただし充電は0.1Cほどにする必要があり、これ以上にするとガスが発生するなどの危険性がありました。

 

この要因は、BMS(Battery Management System)に流す電流に制限をかけているためでした。

リチウムイオン電池は、鉛蓄電池とは異なり、3.4Vの電池パック単体(セル)が製品化されており、これを4つ直列に繋げることで12.8Vにしているようです。

そのため、それぞれのバッテリー間に若干の容量のばらつきがあるため、充放電を行うと、容量の少ないセルは過放電・充電状態に陥り、劣化させてしまうそうです。

 以下の写真では、4つのセルが接続されています

 

これを抑えるために、各セル間の充電・放電を制御するBMSが必要になります。

BMSには

  • 過放電に陥る前に放電停止
  • 満充電セルへの充電停止
  • 過電圧保護
  • 過電流保護

などの機能があり、制御装置とそれぞれのセルが接続されているようです。

BMSの設定上、1C以上の電流を流せない場合が多いようです。

鉛蓄電池では、このような制御装置はありませんので、電流量の制限はなかったようです。

 

国内で流通しているリチウムイオン電池は高価なので、中国で製造されているバッテリーを購入検討することにしました。